「人間の身体は食べた物からできている」
これはもう10年以上前になりますが、妻と2人で不妊治療を専門とする漢方薬局を訪ねた時、担当してくれた薬剤師さんに言われた言葉です。
確かに自分の身体は100%自分で食べた物からできています。
これは考えてみれば「当たり前」のことですが、当時の私にとっては「驚き」でした。
「人間の身体を畑に例えるとすれば、菓子パンばっかり食べている人の畑で赤ちゃんができやすいと思いますか?」
と言われてさらに納得。
「これは本当かもしれない」と何となく予感めいたものを感じたのを覚えています。
それから妻は処方された漢方を煎じて飲み始めるとともに、指導された食事療法も始めました。
しかし夫婦のうち1人だけ食事を制限するのは難しいということもあり、どうせならと夫婦2人で始めることにしました。
主な食事指導の内容は「白く精製された物はできるだけ避ける」「小麦粉食品はダメ」「特に白砂糖はダメ」というものでした。
実際に生活の中から小麦食品を排除していったら・・・ほとんど食べる物がなくなってしまい、今までいかに自分たちが好んで小麦食品を食べていたのかを思い知らされました。
そうすると、パン、ラーメン・うどん・焼きそば・パスタなどの麺類、お好み焼き・たこ焼きなどの粉ものは食べられませんので、基本的にお米とおかずという昔ながらの和食にならざるを得ませんでした。
麺類が食べたくなったら春雨やビーフンなどで代用し、米粉でパンを作ったりもしました。
スーパーで食品を買う前に裏に記載してある原材料を注意して見るようになったのもこの時からだと思います。
その後、夫婦とも食事療法に慣れてきたので、もう一歩前進することにし、白米よりも良いとされる玄米食に切り替えることにしました。
初めは玄米の匂いが気になりましたが、食べ慣れてくると白米では物足りなくなってしまい、どこかに出かける時も玄米のおにぎりを持参するほどになりました。
玄米自体に味わいがあるのでゴマ塩をかけただけでもおいしく食べられ、プチプチとした食感も気に入りました。
あと玄米食にしてから「よく噛む」ようになったとも思います。
おかずも玄米に合うものは白米のものとは違うため、どんなおかずだと美味しく食べられるか自分なりに色々試したりもしました。
そして玄米はきんぴらごぼうやひじきの煮つけなどの日本の昔ながらのお惣菜と相性が良く、また油との相性が良いことも発見しました。
中でも鶏肉とごぼう、人参、しょうがなどを酒、みりん、薄口しょうゆで炒め煮した具材を、炊き上がったばかりの炊飯釜の玄米にそのまま和え、10分ほど蒸らしてできる鶏五目玄米ご飯は今でも子供たちには人気で、玄米が苦手な人でも食べられる私の自信作となりました。
これだと玄米だと気づかない人もいるほどです。
さて、漢方を内服しながらそんな食生活を続けていく中で「これは本当に効果があるかも!?」と思ったのは、妻の体重が1か月で3~4kgも落ちてしまったからです。
また玄米は私の体質にも合っていて、以前はおかずを少なくして白飯だけを食べるとよく胸焼けをしていましたが、玄米食にしてからはそういうことが全くなくなりました。
振り返ってみると、私にとってはこのことが健康食を追究するきっかけになったのだと思います。
そして肝心の「妊活」はというと・・・結果的に大成功でした。
何と漢方と食事療法を始めたから2か月目で第一子を授かり、おかげさまで今では3人の子供に恵まれております。
もちろん二人目の時も三人目の時もその漢方薬局にはお世話になったのですが、私たちには処方された漢方と食事療法がとても合っていたのだと思います。
しかしこれはやっぱり合う方と合わない方がいるのかもしれません。
そもそも私たちにその漢方薬局を紹介してくれた方も4か月で結果が出ていたので、その「威力」に驚いた私たちは、同じ悩みを持つ知り合いのご夫婦何組かにご紹介したのですが、その方たちは期待したような結果が得られなかったからです。
とはいっても「漢方を飲んでさえすればいいのだ」という態度ではなく、自らしっかり食事療法にも取り組んだかどうか、夫婦2人で協力しあえたかどうか、実際のところは分からないのですが・・・。
今も認知症診療とケアに携わっている中で日々「排泄習慣」と「食事習慣」の大切さを実感することが多く、「本当に人間の身体は自分が食べた物からできているのだなぁ」ということをつくづく思います。
さらに前回までにお話ししたように、実は「食べた物から腸内細菌の働きなどを介して自分の精神もできている」と言っても過言ではないというようなことも分かってきました。
また認知症に限らず、あらゆる身体・精神疾患、体質・器質においても、食習慣がベースにあってそれが大きく影響しているということも分かってきましたので、このブログでも健康づくりに役立つ食事について、また少しずつご紹介していければと思っています。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
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