認知症診療あれこれ見聞録 ~エンヤーコラサッ 知の泉を旅して~

日々認知症診療に携わる病院スタッフのブログです。診療の中で学んだ認知症の診断、治療、ケアについて紹介していきます。

「リーキーガット」を予防・改善するには?④

▼「リーキーガット」を予防・改善するには?

 

前回は「リーキーガット」を予防・改善するための対策として③「リーキーガット」の原因となる細菌や有害物質を減らすことを挙げ、具体的な方法としてカンジダ菌」を減らすことについてお話ししました。

今回はその続きです。

 

③「リーキーガット」の原因となる細菌や有害物質を減らす

 

・「食品添加物」や「農薬」をできるだけ摂らない

全国展開しているようなスーパーやコンビニで売られているおにぎりやお弁当、お惣菜などの食品や大手外食チェーンで提供されている食品には、食中毒を絶対に出さないための「保存料」や、見た目を良くするための「食品添加物」が多く使われている傾向があります。

食物を長持ちさせる「食物添加物」や「保存料」は腐敗菌の増殖を抑制する「殺菌剤」でもあるため、それらを摂取すると体内にいる悪い菌だけでなく良い菌も殺してしまうことになります。

 

食品添加物」の一例として「pH調整剤」や「亜硫酸塩類」が挙げられます。

「pH調整剤」には食品を「弱酸性」に保つことで微生物の増殖を抑制する効果があり、リン酸・クエン酸コハク酸・酒石酸など様々な種類が使われています。

ただ「pH調整剤」として添加する場合には、中身の成分を表示しなくても良いことが認められているため、何がどのくらい含まれているかが消費者には分からず、それが心配なところでもあります。

「亜硫酸塩類」も微生物の増殖を抑制して食品の腐敗を防ぐ「酸化防止剤」「保存料」であり、亜硫酸ナトリウム・次亜硫酸ナトリウム・二酸化硫黄・ピロ亜硫酸カリウム・ピロ亜硫酸ナトリウムの5種類があります。

また「亜硫酸塩類」には「漂白作用」もあるため、食品の発色を良くするためにも使われます。

そのためハムやソーセージ、ベーコンなどの加工肉や筋子、たらこなどでは、保存性と発色を良くする目的で「亜硫酸塩類」が使われますが、この「亜硫酸塩類」には恐ろしい食中毒菌としてよく知られるボツリヌス菌の増殖を抑制するほどの殺菌力があるそうです。

これらの「食品添加物」の安全性については様々な意見があり、腸内細菌が死んでしまうなど身体に害があると指摘されることも少なくありません。

そのため外食時や、お弁当やお惣菜などを購入する場合はできるだけ「食品添加物」使用していないような手作りのお店を選ぶと良いと思います。

 

また野菜に残留する「農薬」についても、以前からその安全性を問題視する意見が少なくありません。

「農薬」をできるだけ摂取しないように毎回有機野菜や無農薬野菜だけを食べるというのは難しいと思いますが、桶に水を貯めてその中で野菜を最低1分間、可能な場合は5分間浸けながら揺すり洗いをすると効果的だと言われていますので是非ご参考にしてください。

外国から輸入される穀物、野菜、果物などの農作物へ収穫後に直接噴霧される「殺虫剤」「防カビ剤」の「ポストハーベスト農薬」についても、その危険性が指摘されています。

ただ日本では収穫後の農作物に「ポストハーベスト農薬」を使用することは禁止されているので、その事実からだけでも、できれば輸入農作物は摂取しないに越したことはないでしょう。

 

・「不溶性食物繊維」で有害物質を排出させる

私たちの現在の食生活環境を見渡すと、前述したような「食品添加物」や「農薬」などの健康を脅かす「有害な化学物質」だらけであり、それらを摂取しないよういくら注意していたとしても全く摂取しないというのは困難だと思われます。

そこで大事になるのは、体内に入ってしまった有害物質をいかに体外へ排出させるかになります。

ここで活躍するのが「不溶性食物繊維」です。

「不溶性食物繊維」にはそれらの「有害な化学物質」を吸着して、体外へ排出させる働きがあるとともに、腸の蠕動(ぜんどう)運動を促してすみやかに大便として排出させる働きがあるのです。

また食中毒菌や発がん性物質、悪玉菌が産生する毒素なども吸着し、腸内での滞留時間も減らしてくれるので様々な病気の予防にもつながります。

例えば、食中毒菌を摂取してしまったとしても腸内で増殖する前に排泄することができれば、食中毒を発症せずに済むのです。

このように私たちの健康維持にとって欠かせない「不溶性食物繊維」が豊富に含まれる食品は、精製されていない穀物、豆類、繊維質の野菜、さつまいもなどのイモ類、きのこ類などがありますので、皆さんも是非日常的に食事に取り入れてデトックスと便通促進に取り組んでみたらいかがでしょうか。

 

長くなりましたので、次回に続きます。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

 

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