認知症診療あれこれ見聞録 ~エンヤーコラサッ 知の泉を旅して~

日々認知症診療に携わる病院スタッフのブログです。診療の中で学んだ認知症の診断、治療、ケアについて紹介していきます。

2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

発達障害ともの忘れ(16)

前回から、発達障害の気質が強い人で「もの忘れ」を訴えて受診されてきた実際の症例についてご紹介しています。 今回は3人目の症例についてです。 (症例3)「もの忘れ」を主訴に来院された40代女性 夫と別居中で実家で両親と3人で暮らしている方ですが…

発達障害ともの忘れ(15)

前回から、発達障害の気質が強い人で「もの忘れ」を訴えて受診されてきた実際の症例についてご紹介しています。 今回は2人目の症例についてです。 (症例2)「もの忘れ」を主訴に来院された40代男性 妻と子供と3人で暮らしている方ですが、この1年でも…

発達障害ともの忘れ(14)

前回は、患者さん本人の訴えに家族が「共鳴」してしまうと、本人の症状をさらに「増幅」させかねないこと、本人や家族に「待てない」気質があると、目の前に表れる症状に振り回されて薬を勝手に調節してしまうことがあるため、そうなるとさらに治療が難渋し…

発達障害ともの忘れ(13)

前回は、パーキンソン病の人は「暗示にかかりやすい」傾向があるため、治療ではそれを利用して得られる薬の効果を大きくするような声掛けをすることがあること、心配性の患者さんは診察時に悪いことしか言ってこないことがあり、そのような場合には治療に難…