認知症診療あれこれ見聞録 ~エンヤーコラサッ 知の泉を旅して~

日々認知症診療に携わる病院スタッフのブログです。診療の中で学んだ認知症の診断、治療、ケアについて紹介していきます。

2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

高齢者ほど「和式生活のススメ」(1)

和式の生活様式は身体の健康維持にも効果的な面がある 昭和、平成、令和へと時代が移り変わるにつれ、この数十年で日本人の生活様式は大きく変わってきました。 昔は家に畳があるのが当たり前で、家族みんなで茶の間に座ってテレビを観たり、食事をしたり、…

「お父さん!違うでしょ!」が症状を進行させる(21)

前回は、通所サービスのメリットをまとめてみましたが、認知症治療において患者さんには生活の中で改めていってほしい課題があることが多く、それらの課題は患者さんによってもちろん違うけれども、内容は大体決まっており、いずれも通所サービスの導入によ…

「お父さん!違うでしょ!」が症状を進行させる(20)

前回は、認知症患者さんに通所サービスを導入できるかどうかが、その後の病状経過や人生において大きな分岐点になると言えるほど、認知症治療においては、通所サービスの導入によって得られる効果は大きいが、初めから喜んで通ってくれるような方はほとんど…

「お父さん!違うでしょ!」が症状を進行させる(19)

▼「お父さん!違うでしょ!」が症状を進行させる(19) 前回は、認知症の治療を進めていくうえでは、家族の協力が不可欠であり、家族が健康でいることが認知症治療の「土台」になるとも言えるため、もし介護ストレスなどで家族が心身のバランスを崩してい…

「お父さん!違うでしょ!」が症状を進行させる(18)

前回は、治療に難渋する家族に共通する傾向として、診察では悪いことばかり強調して良いことは話さなかったり、また医療従事者が熱心に応対してもなかなか話が通じなかったり急に来院しなくなることもあるということをお話ししました。 そのためあらかじめそ…

「お父さん!違うでしょ!」が症状を進行させる(17)

前回は、治療に難渋する患者さん家族には一定のパターンや傾向があり、大まかに「話が主観的でまとまりがない」タイプと「熱心で細かく要求が高い」タイプの2つに分けられことをお話ししました。 そして、それぞれのタイプの特徴や傾向についてご紹介し、そ…

「お父さん!違うでしょ!」が症状を進行させる(16)

前回は、認知症患者さんに新たに薬を始めたり投薬量を調節した場合には、様々な要因による日々の小さな変動を差し引いたうえで、全体的に症状が良くなったのか悪くなったのかを判断するために、最低でも1~2週間はそのままで様子をみたいということ、治療…

「お父さん!違うでしょ!」が症状を進行させる(15)

前回は、認知症治療においては投薬以外のケアによる効果も非常に大きいため、治療がうまくいくかどうかは、家族と医療従事者が同じ土俵に立って協力し合えるどうかが大きな分岐点になるというお話をしました。 そのため認知症治療においては家族の協力が不可…