認知症診療あれこれ見聞録 ~エンヤーコラサッ 知の泉を旅して~

日々認知症診療に携わる病院スタッフのブログです。診療の中で学んだ認知症の診断、治療、ケアについて紹介していきます。

2019-10-01から1ヶ月間の記事一覧

⑥自律神経障害がある【認知症チェックリスト】(前)

前回までは、もの忘れを除いて認知症になると出現しやすい症状⑤の「睡眠障害(レム睡眠行動異常・睡眠時無呼吸症候群)がある」についてお話ししました。 今回からは「⑥自律神経障害がある」についてお話しいたします。 ************************************…

⑤睡眠障害(レム睡眠行動異常・睡眠時無呼吸症候群)がある【認知症チェックリスト】(後)

前回は、十分な睡眠がとれないと睡眠中に排泄されるはずの「アミロイドβ」が脳に溜まって認知症を発症しやすくなること、睡眠障害の1つである「レム睡眠行動障害」は様々な認知症を呈する神経変性疾患の前駆症状として数年~15年位前から現れること、「レ…

⑤睡眠障害(レム睡眠行動異常・睡眠時無呼吸症候群)がある【認知症チェックリスト】(前)

前回までは、もの忘れを除いて認知症になると出現しやすい症状④の「言葉の理解や発語がスムースでなかったり(失語)、人の顔や名所などが分からない(視覚性失認)」についてお話ししました。 今回からは「⑤睡眠障害(レム睡眠行動異常・睡眠時無呼吸症候群…

④言葉の理解や発語がスムースでなかったり(失語)、人の顔や名所などが分からない(視覚性失認)【認知症チェックリスト】(後)

前回は「④言葉の理解や発語がスムースでなかったり(失語)、人の顔や名所などが分からない(視覚性失認)」の「失語」についてお話ししました。 今回は後半の「視覚性失認」と、これらの症状が出やすい疾患についてお話しいたします。 ********************…

④言葉の理解や発語がスムースでなかったり(失語)、人の顔や名所などが分からない(視覚性失認)【認知症チェックリスト】(前)

前回までは、もの忘れを除いて認知症になると出現しやすい症状③の「意識の変容」についてお話ししました。 今回は「④言葉の理解や発語がスムースでなかったり(失語)、人の顔や名所などが分からない(視覚性失認)」についてです。 ***********************…

③意識の変容があり、ボーッとしている時とはっきりしている時の波がある【認知症チェックリスト】

前回までは、もの忘れを除いて認知症になると出現しやすい症状②の「パーキンソニズム」についてお話ししました。 今回は「③意識の変容があり、ボーッとしている時とはっきりしている時の波がある」についてです。 *****************************************…

②パーキンソニズム(パーキンソン症状)がある【認知症チェックリスト】(後)

前回は、主にパーキンソニズムの「固縮」と「姿勢反射障害」について取り上げました。 今回はその続きです。 ************************************************************************************************** ②パーキンソニズム(パーキンソン症状)…

②パーキンソニズム(パーキンソン症状)がある【認知症チェックリスト】(中)

前回は、パーキンソニズムが認知症を伴う神経変性疾患に合併しやすいこと、そのため早期診断・治療のために軽微なパーキンソニズムでも察知することが大切であること、パーキンソニズムの出現には神経伝達物質のドーパミンが関与していることなどをお話しし…

②パーキンソニズム(パーキンソン症状)がある【認知症チェックリスト】(前)

前々回と前回は、もの忘れを除いて認知症になると出現しやすい症状リストの説明からは一旦離れて「認知症と発達障害」の関連性についてお話ししました。 今回からまた症状リストの説明に戻ります。 今回は「②パーキンソニズム(パーキンソン症状)がある」で…

認知症と発達障害(後)

前回は、発達障害傾向のある方は鏡像運動が出やすいこと、発達障害の方が未診断のまま高齢になり認知症に移行していくケースが少なくないのではないかということ、自閉症スペクトラム障害(ASD)タイプと注意欠陥多動性障害(ADHD)タイプそれぞれの…

認知症と発達障害(前)

前回は、もの忘れを除いて認知症になると出現しやすい症状①の項目後半にある「鏡像運動」についてご説明しました。 その中で、鏡像運動はパーキンソン病や大脳皮質基底核症候群といった変性疾患や脳梗塞後遺症などの一部の疾患群で認められるものであり、定…

①手の使いにくさがあり、明らかな鏡像運動が出る【認知症チェックリスト】(後)

前回は、もの忘れを除いて認知症になると出現しやすい症状①の項目前半にある「手の使いにくさ」についてご説明しました。 また「脳の可塑性」を活用すれば、年齢に関係なく認知機能を含めた身体全体の機能を維持・向上させることが十分可能であり、特に手や…

①手の使いにくさがあり、明らかな鏡像運動が出る【認知症チェックリスト】(前)

前回は、もの忘れを除いて認知症になると出現しやすい症状をリストにしてご紹介しました。 このリストは認知症のチェックリストとしても利用できますが、各項目の内容で分かりづらい点もあるかと思いますので、今回から①~➉の各項目について順番にお話しして…