認知症診療あれこれ見聞録 ~エンヤーコラサッ 知の泉を旅して~

日々認知症診療に携わる病院スタッフのブログです。診療の中で学んだ認知症の診断、治療、ケアについて紹介していきます。

2020-01-01から1ヶ月間の記事一覧

「睡眠薬」を長年使用していると「認知症」になりやすくなる!?

前回まで数回にわたってレビー小体型認知症の治療にとって中核となる「意識の変容」に対する治療についてお話しし、前回から良質な睡眠習慣の確立(睡眠障害の治療)についてのお話を始めました。 今回から良質な睡眠習慣を確立するための投薬治療についてお…

レビー小体型認知症を知れば「認知症」が理解しやすくなる(4)

レビー小体型認知症の治療にとって中核となる「意識の変容」に対する治療についてですが、主要なアプローチ方法として ①「意識の変容」そのものに対する投薬治療 ②良質な睡眠習慣の確立(睡眠障害の治療) ③毎日から1日おきの定期的な排便習慣の確立(便秘…

レビー小体型認知症を知れば「認知症」が理解しやすくなる(3)

前回は、レビー小体型認知症の症状と治療にとっては「意識の変容」がまさに中核になるというお話をしました。 今回から「意識の変容」の具体的な治療方法についてお話ししようと思います。 「意識の変容」の治療について レビー小体型認知症の治療にとって中…

レビー小体型認知症を知れば「認知症」が理解しやすくなる(2)

前回は、レビー小体型認知症では非常に多彩な認知症症状が出現するけれども、その中には他の認知症疾患でも認められるものが少なくないため、レビー小体型認知症の症状や治療について理解することは「認知症」全体を理解するうえで非常に役に立つというお話…

レビー小体型認知症を知れば「認知症」が理解しやすくなる(1)

レビー小体型認知症は認知症症状の宝庫 前回は認知症で最も多いアルツハイマー型認知症の診断についてお話しました。 今回からアルツハイマー型認知症に次いで多いレビー小体型認知症についてお話ししていきますが、レビー小体型認知症で現れる認知症症状は…

最も多いアルツハイマー型認知症の診断について

総務省統計局によると2019年の65歳以上の高齢者人口は3588万人にのぼり、これは日本の全人口の28.4%にあたるそうです。 さらに高齢者白書によると2012年の認知症患者数が約460万人で高齢者人口の15%という割合だったのが、2025…

認知症治療薬の副作用について

前回は認知症治療によく使われる向精神薬や認知症治療薬の中には、薬剤性パーキンソニズムを生じさせてしまうようなものが少なくないというお話をしました。 そこで今回は認知症治療に多用されている抗認知症薬の副作用についてお話ししたいと思います。 現…

認知症治療と薬剤性パーキンソニズム

前回は、薬の副作用で生じる薬剤性パーキンソニズムは頻繁に遭遇するものであり、投薬治療においてはいかに薬剤性パーキンソニズムを生じさせないようにするかが常に大きな課題になっているというお話をしました。 今回は「認知症治療と薬剤性パーキンソニズ…