認知症診療あれこれ見聞録 ~エンヤーコラサッ 知の泉を旅して~

日々認知症診療に携わる病院スタッフのブログです。診療の中で学んだ認知症の診断、治療、ケアについて紹介していきます。

2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

まなざしによるケア(2)

前回は、まず認知症の人は相手の表情や態度に意外と敏感であるというお話をしました。 それは、失語症状が出て相手が何を言っているのか分からなかったり、自分の置かれている状況が分からないと、会話をしている相手や周りにいる人たちの表情などから、必死…

まなざしによるケア(1)

認知症の人は相手の表情や態度に敏感である みなさんは認知症の人と接する時に、しっかり相手の目を見ているでしょうか。 「認知症の人だから・・・」と、あまりそんなことには気を払わずに接している人も多いかもしれません。 以前は私もそれほど意識はしてい…

高齢者ほど「和式生活のススメ」(15)

前回は、「寝たきり」状態から回復された高齢者に共通していたのは、「できるだけ早期からトイレの使用を始めていた」ことと、「『絶対に良くなる!』という気持ちを持ち続けていた」ことであるというお話をしました。 そして「できるだけ早期からトイレの使…

高齢者ほど「和式生活のススメ」(14)

前回は、「和式生活」を導入することで「床上動作」を通じて日常的に全身の筋力を鍛えられるようになるため、「和式生活」は認知症高齢者の身体活動を活発にする選択肢としても十分考えられるというお話をしました。 そして実際に、日常的な「床上動作」が動…

高齢者ほど「和式生活のススメ」(13)

前回は、高齢者やパーキンソン症候群のある人ではお尻の筋肉が衰えやすく、お尻の筋肉が衰えてくると、歩く時に腰や膝が曲がった姿勢になって、すり足や小刻み歩行、動作緩慢などの「パーキンソン症候群」が増強しやすくなったり、さらには腰痛や膝痛、首痛…

高齢者ほど「和式生活のススメ」(12)

前回は、入院で体力が落ちた施設入所者が退院して施設の生活に戻ると、基本的に他の入居者さんと同じように全体の予定に合わせて毎日生活するようになるため、半ば強制的に必要な「生活動作」を繰り返し行うようになって、いつの間にか入院前の身体状態まで…

高齢者ほど「和式生活のススメ」(11)

前回は、リハビリを効果的に進めていくには「負荷量」の設定が大事であり、本人ができるかできないかのギリギリの「負荷量」で動作・運動していけばいくほど、得られるリハビリ効果が大きくなるというお話をしました。 その点、床からの立ち座り動作に代表さ…

高齢者ほど「和式生活のススメ」(10)

前回は、「床上動作」は認知症高齢者で衰えやすい「股関節周囲筋群」や「下部体幹筋群」を鍛えてくれるため、専門のリハビリスタッフも「床上動作」を利用した運動療法をよく実施しているというお話をしました。 そして、実際に専門のリハビリスタッフが行う…