2019-01-01から1年間の記事一覧
前回は「糖質制限」は認知症治療にとって有効なものではありますが、決して万能なものではなく人によっては悪化する場合もあること、効果を見極めながら一定期間はどっしり腰を据えて取り組む必要があることについてお話ししました。 今回は認知症の主要な症…
前回まで4回に渡って認知症になると甘いものを好んで食べるようになる理由についてお話しし、特に砂糖を使った甘いものを控えることが認知症の症状の改善はもちろん、あらゆる方の健康づくりにも役立つということをお伝えしました。 本日受診された前頭側頭…
前回までに認知症になると甘いものが大好きになる理由を4つお話ししました。 簡単に整理しますと、 ①前頭葉機能の低下によるもの ②アルツハイマー型認知症で脳の神経細胞に見られる糖の代謝異常によるもの ③糖質の過食で引き起こされるインスリン過剰分泌に…
前回までに認知症になると甘いものを好んで食べるようになってしまう理由を3つご紹介しました。 特に前回は甘いものを食べて血糖値が急激に上がるとインスリンが分泌されるけれども、インスリンは少し遅れて分泌される特徴があるため、今度は急激に血糖値が…
前回、認知症になると甘いものを好んで食べるようになってしまう理由として、1つ目は前頭葉機能が落ちて甘いものを「我慢」するのが難しくなるため、2つ目はアルツハイマー型認知症では脳の神経細胞が血液中のブドウ糖をうまく取り込めなくなってエネルギ…
認知症になると多くの方が甘いものを好んで食べるようになります。 甘いものなど食べなかった方が急に食べるようになったり、元々甘いものが好きだった方は輪をかけて食べるようになったりしますので、当院の初診時にチェックしていただく認知症の症状リスト…
今回は「脳と腸の密接な関係」を示唆するような、非常に興味深いマウスの実験報告がありましたのでご紹介いたします。 これは九州大学大学院医学研究院の須藤信行教授による「腸脳相関」に関する研究報告になりますが、概要を以下にまとめます。 ・腸内細菌…
「人間の身体は食べた物からできている」 これはもう10年以上前になりますが、妻と2人で不妊治療を専門とする漢方薬局を訪ねた時、担当してくれた薬剤師さんに言われた言葉です。 確かに自分の身体は100%自分で食べた物からできています。 これは考え…
前回は人と腸内細菌は共生しており、腸内細菌にとってもおいしい食事を摂ることが「善玉菌」を増やすことにつながり、腸内フローラが調和してくると認知症の方に多い「便秘」も改善されるので、身体的・精神的症状も落ち着いてくるし、認知症の予防にもなる…
前回は「便秘」になると認知症の症状が悪化してしまうこと、「腸内が調和」すなわち「腸和」してくると体調も心も穏やかになり、認知症の症状も落ち着いてくるというお話をいたしました。 今回は「腸内フローラ(=様々な菌によって形成される腸内の生態系の…
認知症患者さんでは「便秘」によって精神症状・身体症状ともに悪化することがたびたびあります。 以前「認知症の症状が急激に出現・悪化する時は」でお話しした通り、腸と脳にはとても深い関連性があり、腸は「第二の脳」とも言われているほどです。 そもそ…
前回は、認知症治療に使われる薬には様々な副作用があることや「薬の過敏性」がある方も少なくないため、薬の選択や投薬量の調整を適切に行わないと当然「認知症薬が症状を悪化させることがある」ということをお話ししました。 今回も認知症治療のための投薬…
皆さんは「認知症薬が症状を悪化させることがある」と聞いて驚くでしょうか。 認知症薬は確かに認知症の症状を改善させるものではありますが、やはり「薬」なのでどうしても「副作用」があります。 そのため本来であれば薬の「効能」と「副作用」を見極めな…
前回まで、認知症の症状が急激に出現したり悪化する要因として「薬」の影響や「脱水症」、「感染症」、「持病の悪化」などがあるとお話ししました。 今回はその他の要因についてお話しいたします。 「便秘」も認知症の症状を悪化させます。 認知症を伴う神経…
前回は急激に認知症の症状が出現・悪化した場合の要因として、まず「薬」を使用している場合は、薬剤性の可能性があることについて触れ、さらに認知症薬や向精神薬、抗パーキンソン病薬などを自己判断で調節・中止することは「悪性症候群」を引き起こす危険…
今年は本格的な梅雨となり、各地で大雨の被害が心配されています。 以前もお話ししましたが、認知症の方は天候や気圧などに影響を受けやすいため、今年のように天候不順が続くと、認知症の方の症状も不順になりやすいので、きっと苦労されている方も多いので…
前回は「相手のできないことや間違いを指摘して怒る」と認知症を悪化させるので、その逆である「相手の良い点を見つけてほめる」ことが認知症の症状を落ち着かせる「良いケア」であること、また「相手の良い点を見つけてほめる」ことは意外に難しいけれども…
前回は「認知症の方に対する好ましいケア」を行うには、まず「認知症を悪くさせる方法」を知ることが手っ取り早く、その逆を行えば良いということをお話しいたしました。 今回は「本人ができないことや間違いを指摘して怒る」という「悪いケア」をしないため…
皆さんは「認知症になったら悪くなるばっかりで、良くなることなんかない!人生の終わりだ!」などと思っていないでしょうか。 私もかつてはそう思っていました。 しかし日々の診療を通じて、実際に認知症の症状が改善していく方を何人も経験していくうちに…
昨日から今日にかけて日本列島に台風が接近し、各地に大雨を降らせていますが、皆さんの住む地域は大丈夫でしたでしょうか。 実は天候が悪いと認知症の方が「爆発」したり、症状が波打つことが少なくありません。 そのため雨の日などは、困ったり心配する家…
本日レビー小体型認知症(DLB)の初期と診断された患者さんも睡眠に問題のある方でした。 ご主人によると、 「イビキもかくし、すごい寝言を言うんだよ。それで寝室は別にしてる。とてもじゃないけど一緒に寝られない。起きてるんじゃないかと思うほどはっき…
前回まで認知症を含む様々な神経変性疾患の発症を予防したり、進行を遅らせるには、いかに「良く眠るか」が一つの大きなカギになることをお話ししてきました。 例えば、レム睡眠行動障害やムズムズ脚症候群などの睡眠障害があると、寝ていたとしても「身体も…
前回までは、睡眠と認知症の関連性が深いこと、認知症の治療では睡眠障害の治療も優先して行っていくこと、そして代表的な睡眠の病気を4つ挙げ「不眠症」と「睡眠時無呼吸症候群」、「レム睡眠行動障害」までお話しいたしました。 特に前回お話ししたレム睡…
前回は睡眠が不十分だと認知症の発症と進行のリスクが高まること、そのため認知症外来では、まずしっかり睡眠がとれているかを確認し、とれていない場合には認知症の治療と併せて睡眠の治療も優先して行っていくということをお話ししました。 そして代表的な…
皆さんはよく眠れていますか? 寝ている時に夢をみますか? 夢を見ている場合、その内容は怖かったり、戦っていたり、嫌な夢だったりしませんか? 寝ている時に身体を動かしたりしていませんか? イビキをかきますか? 寝言をいいますか? 自分の声で起きた…
前回は事故を起こした高齢者に、認知症症状である「意識がはっきりしている時とそうでない時が瞬時に入れ替わる」という「意識の変容」の症状があり、事故の起こした時は覚醒度が落ちていた可能性があるとお話ししましたが、今回はその続きです。 デイサービ…
ここのところ毎日のように高齢者による自動車事故、無謀運転のニュースが報じられています。 幼い子供たちが犠牲になる事故が後を絶たず、子供を持つ同じ親として深い悲しみとともに「何とかならなかったのか」とやるせない憤りを感じざるを得ません。 ただ…
はじめまして。 私は、とある病院にて日々認知症診療とケアに携わっている医療従事者です。 認知症診療については日本は世界のトップランナーですが、認知症医療の現場を見渡すと、認知症の診断や治療、ケアについてはまだまだ医療機関によって大きなバラツ…